スコ物語

スコヤマ「春だな、花粉だな

「私には花粉はダメージ少ないからいいけど、ひどい人は大変みたいだよね」
スコヤマ「オレも家から出ねーからわかんねーけど、まぁ花粉症のやつは頑張れや

「今日は雨降ってるから花粉はあまり飛んでないかな」
スコヤマ「今年はあったかいから、このままずーっと春みたいな陽気が続けばいいけどな

「スコちゃんは寒いの苦手だもんね」
スコヤマ「まあ、ずっと暖房冷房効いてるホテル暮らしだからあんまり関係ねーんだけどな

「私は冷え性なのか寒いと足の方から来るね」
スコヤマ「そういえばこないだ足の腫瘍の子の手術してたな」

左足の付け根に腫瘍ができてます。そもそもの発生は足首の方からなのですが進行が早くあれよあれよと太ももから体幹の方へ向かって腫瘍が浸潤してきました

腫瘍の位置を赤線で囲みました。他院でCTを撮影しており、脛、足首の筋間にも腫瘍は浸潤しており、非常に進行も早く厄介なものという印象を持ちます

手術後のレントゲン写真です。片側の骨盤も一部を残して切除してるのがわかる画像だと思います
浸潤性脂肪種という、良性の腫瘍なのですが悪性の特徴も持っており、肥大するだけでなく、しみこんでいくという厄介な面も持ち合わせています。ただし、転移はしないといわれているので、取り切れれば完治も見込める可能性があります。今回の子は足先にできたものが、太ももの方にまで浸潤してきており、体幹の方にまで浸潤してきたらどうしようもなくなるため腫瘍を切り離す決断をしました。
断脚という方法も考えたのですが、他院で撮影したCT画像より取り残してしまう可能性もあり、残存部から再発してしまうため骨盤の一部を含めた形での拡大切除を行う計画を立てました
スコヤマ「随分大きく切除したんだな。大きく取ったから手術中の写真は今回のっけねえぜ。結構えぐい感じだからな

「一括で大きく取ることによって、治癒が見込める可能性が高まるから、今回この術式を選択したんだけど病理検査の結果から考えるとこれで良かったんじゃないかなと。切除端に腫瘍は見られなかったし、病理診断してくれた先生とお話したんだけど、一般的な断脚だと、お尻の方太ももの骨の間に腫瘍が入り込んでいて、取り残しの可能性が十分考えられたみたいだからね」
スコヤマ「進行がすげー早かったもんな。他院でCT撮ってもらってたんだけど、その時点からもあれよと肥大していた感じだったから最善の選択肢として今回の術式を選んだんだよな

「骨盤を片側全部取るっていう方法もあるんだけど、縫合が大変だろうから、CT画像で今回の術式なら縫合もうまくいくし取り残しもないだろうっていうことで、実施したんだよね」
スコヤマ「断脚だと取り残しが出るかもしれねーからな、ダメージは大きくなるけどそれで元気に過ごせるならってことか

「うん、だから鎮痛はしっかり行って対応したよ」
スコヤマ「病理検査の結果は、しっかり取り切れてるようだな

「そうだね。結果再発の可能性は低いと思うからあとは定期的にチェックしてみていくことが大事かな」
スコヤマ「元気に歩いてるみたいだな

「そうだね、反対の足を使って起用に歩いてるみたいだから、必要に応じて今回のような形での切除も選択肢に載せる必要はあると思うね」
スコヤマ「断脚は動物病院では実施されることは割と多いけど、骨盤からの切除は適応を考えていかなきゃいけねーから術前のCTは情報源としてはかなり重要だな

「一般病院でCTを買うのは大変だから、今回は他院さんで取ってもらってた情報をもとに、そこから少し時間も経ってたんでそれも加味した形での手術計画だね」
スコヤマ「まあ。鎮痛もしっかりしてたんであんまり痛がることもなく翌日からご飯も食べてたし、良かったな

「そうだね、後は再発が無いように定期的に状態を診させてもらえたらいいかな」
スコヤマ「無事に終わって良かったぜ!

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